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アルベオラータ(繊毛虫以外) ブログトップ
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意外な生物にも眼が、渦鞭毛虫 [アルベオラータ(繊毛虫以外)]

少し脱線?して、一見、めとは関係の無いかた?にも眼があるというお話です。

渦鞭毛虫にも眼があった、というお話です。
Nature 523, 204–207 (09 July 2015)、からです。

渦鞭毛虫の中のErythropsidiniumと、Erythropsidiniumという種類に、レンズ、網膜、色素膜を持つまさしく眼といった構造が見つかっています。
ちなみに単細胞ですから、我々とは全くの別物ということですね。
(遺伝子的にも独立して分化した独自の構造のようです)

渦鞭毛虫の眼.png
図示するとこんな感じです。

遺伝子的には、共生した、ミトコンドリア、葉緑体などから由来するらしいですが、
分裂時にもちゃんと構造が複製されることから、この生物のものになっているということのようです。


なんとすごい、構造でしょう!
眼(ocelloidという名称のようです)として機能することから今後の報告が待たれますね。


細胞群でなくても、レンズ、網膜、色素膜を作って、眼として機能するというお話でした。


そのうち、単細胞生物に脳がなんて報告が・・・
まず捕まらないでしょうがねっ

死角はありません。 [アルベオラータ(繊毛虫以外)]

繊毛虫のところで、銛を発射するということはお話しました。
渦鞭毛虫もアルベオラータのお仲間ですので、同じようにもり:やりを発射します。

硬いからに覆われているので、どこから発射するのか疑問に思ったので調べると、
全身発射口だらけなのでした。

トリコシストホール.png
発射口の名前はずばり、trichocysts poresといって、毛胞(トリコシスト:trichocysts)を発射するために、
甲羅に穴が開いているのですね。
穴がほとんど無い種類とか、頭の上?にあるとかで、分類にも利用されている重要な穴らしいです。

うーん、触ると怪我しちゃいますね。

鞭毛はどこへ? [アルベオラータ(繊毛虫以外)]

ここ数回で、アルベオラータの仲間のお話をしていますが、
渦鞭毛虫には特徴的な鞭毛が2本あったのですが、アピコンプレックスさんたちには鞭毛がありませんね。

そこで、鞭毛はどこへ行ったのか気になってずっと調べていたのですが、
やはり鎖をつなぐ方たちがいたのですねぇ。
(おもしろい報告がありすぎてそれを見ていたら、ブログの更新がおろそかになってしまいました・・・笑)
今日はそんな方のお話です。

その方たちは、Colpodellaさんや、Rastorimonasさんと呼ばれる方たちです。
この方たちは、渦鞭毛虫の鞭毛装置と、アピコンプレックス(Apicomplexa)さんの、
アピコプラスト(マヨネーズのキャップのような器官)のもとを持っています。
(葉緑体については、鎖をつなぐものたちで少し触れましたね)

そこから導き出されたお話を要約すると、
アピコンプレックスの鞭毛.png
上のように、鞭毛装置の基部がアピコンプレックスさんにも存在するとのことです。
PLoS One. 2014; 9(1): e84653.や
Microorganisms 2014, 2, 73-91;からです。


さて、アピコンプレックスさんにも鞭毛が存在する時期がありまして、
それが雄性配偶体(ミクロガメート:microgamete)といわれる状態で、
ミクロガメートの鞭毛.png
のように二本の鞭毛をもち、そのほかには核だけの状態の、いわば精子のような感じです。
(鞭毛二本というところがこの方たちらしくてお茶目ですね)
Eukaryotic Cell July 2013 Volume 12 Number 7 p. 1009–1019,に、
トキソプラズマのミクロガメートの図示がありました。

では今日はこの辺で。(口癖みたいですか?)

もっとも単純ですか? [アルベオラータ(繊毛虫以外)]

今日は渦鞭毛虫の成長過程のお話です。

渦鞭毛虫ライフサイクル.png
上図は渦鞭毛虫の、ウズオビムシ(Peridinium)のライフサイクルです。

アピコンプレクサでは、かなり複雑な呼び方ばかりでしたが、
ウズオビムシさんは最後の部分のみを取り出したような生活を送っています。
なので、基本形といえるのでしょうね?

配偶子(gamete)も雌雄ともほとんどかわらず、親と同じような形とのことです。
接合体(zygotes)も始めのうちは運動しているのですが、そのうちに殻を形成し、
つるっとした嚢子(cyst)に変化し、休眠期間に入ります。
Nippon Suisan Gakkaishi 53(3), 473-478 (1987).
水環境学会誌 Vol.25,No.9.PP559-563(2002).からによります。

ぐにゃぐにゃフープ [アルベオラータ(繊毛虫以外)]

今日は、渦鞭毛虫たちの運動の様子です。




渦鞭毛虫の運動の様子を上に示しました。
(例によってCANVASですので表示されなかったらすみません)

溝の交点から二本の鞭毛が生えていて、その鞭毛で移動します。

横の鞭毛は体から離れる事はなく、溝の奥と薄い膜でつながっています。
その膜を鞭毛で動かして水流をつくり、回転と前進の推力をになうとのことです。

下向きの水流は溝の山が後ろで低いのとか、膜の付着位置によるのでしょうか?
後ろの鞭毛はおもに舵取りを受け持っているそうです。
Journal of Aero Aqua Bio-mechanisms , vol.3 (1) (p.79 - 84) , 2013.からのお話でした。

ただ、計算で求めると、回転するのですが、実際にはあまり回転しないらしいので、
何か回転を抑制する機構があるのではないかとコメントされています。
私見ですが、
縦の鞭毛がヘリコプターのテールローターのように回転を抑制しているのかなっと思っていますが・・・
あっ、縦溝も関係しているのかもしれませんねぇ。
(報告でもダンベル状の形や、でこぼこが、とコメントされていましたね)

渦鞭毛虫は、体にスクリューを巻きつけているのですね、素晴らしい。

胡桃?、サッカーボール? ウズオビムシ Peridinium [アルベオラータ(繊毛虫以外)]

今日は、渦鞭毛虫のウズオビムシ(Peridinium)さんです。

この仲間は固い殻に覆われてます。
親戚にハダカオビムシ(Gymnodinium)さんがいて、言葉どおり殻がありませんねぇ。

ウズオビムシ.jpg
写真では縦溝がわかりづらいですが、縦横に溝が刻まれていて、それぞれの溝に鞭毛が入っています。

アルベオラータ(Alveolata)のお仲間ですので、
皮膜の下に袋があり、そこに硬い殻を隠しているのですね(ペリクル:pellicleの下に殻をもつ)。

殻は数枚に分かれており、さながらサッカーボールのようで、その枚数で種類が分類されています。
実際のところ参考程度で、例外はたくさんあるようです。

以下に鎧板(thecal plates)配列の数え方を図示しておきましょう。
鎧版配列.png
代表的なものは上から、

頂板(apical plate)、4枚
前帯板(precingular plate)、7枚
後帯板(postcingular plate)、5枚
底板(antapical plate)、2枚
で、頂板と前帯板の間に、前挿間板(anterior intercalary plate)、3枚
横溝板(cingular plate)、6枚
縦溝板(sulcal plate)、5枚

といった具合で、
4’、7’’、5’’’、2’’’’、3a、6c、5s、と記載します(順番はこのとおりではないですが)。

そのほか、頂孔板(Po:apical pore plate)、前頂孔板(X:canal plate)なども記載します。
(s:sulcal plateはその脇のt:transitional plateと合せて記載することもあるようです)
Marine Micropaleontology 96–97 (2012) 48–62.に数え方が少しのっていましたね。

なお、鎧板の位置を示すには、上から見て、反時計回りに
1’、2’、3’、4’といったように表します(頂板の場合、数に「’」をつけます)。

では今日はこの辺で・・・

茶色虫のダウンジャケット [アルベオラータ(繊毛虫以外)]

今日は、アルベオラータ(Alveolata)という言葉が出てきましたので、そのお話です。

アピコンプレクスはマヨネーズのような頭の形をした仲間で、
その方たちは葉緑体のようなものを持っている(あるいはいた)ことは、お話しました。

葉緑体は数種存在することはご存知だと思いますが、色素(クロロフィル:Chlorophyll)の含まれかたで、
緑色植物(クロロフィルbをもつ)と紅色植物(クロロフィルbを持たない)に分かれますね。
(灰色植物ってのもあるそうですが・・・)

葉緑体をもつ微生物ではミドリムシさんが有名で、その方はクロロフィルbを含むので緑色です。
しかし、アルベオラータさんたちはそれがありませんので、だいたい褐色です。
ミドリゾウリムシさんは、以前ご紹介したように本当の意味で共生なのでおいときますかね・・・)

ミドリムシ アルベオラータ 緑色 紅色


さて、本題に入ってミドリムシさんたちは、ペリクルストリップなる構造を持っているのが特徴でしたが、
アルベオラータさんたちにも共通の構造があって、それがアルベオラ(Alveola)という袋状の構造なのでした。

皮膜直下にある構造で簡単に図示しておきましょう。
アルベオラ.png
Aが、アピコンプレクスで、皮質の下に広がった袋のみの構造です。
Bが、渦鞭毛虫で、袋の中に硬い板のようなものが入っています。
Cが、繊毛虫で、所々穴の開いた、あるいは細かい連続した、袋の構造です。
(繊毛虫の皮質の構造は以前のお話を参考にしてください。)

ちゃいろ虫(赤色虫?)のなかまは、皮膚の下に袋を持っているのですね。
ダウンジャケットを隠し持っているのですが(皮膚の下ってところがオチャメですね)、
何のためにあるのかは、素晴らしい秘密があるのでしょうが、う~ん、どうしてなのでしょう?

Mol Biol Evol (2011) 28 (3): 1319-1331.にアルベオラの解説が、
Proc Natl Acad Sci U S A. 2009 Jun 16;106 Suppl 1:9963-70.にミドリムシさんとの対比があります。
では、またこの辺で。

アルベオラータ(Alveolata)の分類 [アルベオラータ(繊毛虫以外)]

遠回りをしていましたが、前日の繊毛虫などを含めて、
アピコンプレクサの分類を一段上がるとアルベオラータ(Alveolata)といわれるようです。

きょうは、アルベオラータ(Alveolata)の系統樹を作図しておきましょう。

タイレリア(Theileria buffeli) バベシア(Babesia gibsoni) カリオスポーラ(Caryospora bigenetica) アイメリア(Eimeria alabamensis) トキソプラズマ(Toxoplasma gondii) Selenidium terebellae Monocystis agilis Ophryocystis elektroscirrha クリプトスポリジウム(Cryptosporidium serpentis) Colpodella sp. ヤコウチュウ(Noctiluca scintillans) Cryptoperidiniopsis brodyi アンフィディニウム(Amphidinium semilunatum) プロロセントルム(Prorocentrum emarginatum) ギムノディニウム(Gyrodinium dorsum) キタカンムリムシ(Dinophysis norvegica) Kryptoperidinium foliaceum Durinskia baltica(=ペリディニウム:Peridinium balticum) Eukaryote clone Amoebophrya sp. Hematodinium sp. パーキンサス(Perkinsus marinus) Parvilucifera infectans オキシトリカ(Oxytricha nova) ディディニウム(Didinium nasutum) マユガタミズケムシ(Urocentrum turbo) フルガソニア(Furgasonia blochmanni) プロトクルジア(Protocruzia sp.) ブレファリスマ(Blepharisma americanum) アピコンプレックス(Apicomplexa) コルポデラ(Colpodella) Perkinsids 渦鞭毛藻(Dinoflagellate) 繊毛虫(Ciliate)
J. Eukaryot. MicroDiol., 50(S), 2003 pp. 334-340.によります。

SVGでの表示です。表示されなかったら申し訳ありません。
少しですが、今まで登場した方たちにリンクが飛ぶようにしておきました。

鎖を繋ぐ者たち [アルベオラータ(繊毛虫以外)]

食事をするミドリムシのところで、
ラパザビリディス(Rapaza viridis)という食事をするミドリムシのお話をしましたが、
今日は多様性をつなぐ方たちのご紹介です。
(残念ですが、写真はございません、うーん・・・)

アピコンプレックス(Apicomplexa) Chromera velia Paramecium tetraurelia 渦鞭毛藻(Dinophyceae) コクシジウム(Coccidia) ピロプラズマ (piroplasmida) 住血胞子虫(haemosporidia) 繊毛虫(Ciliophora) 葉緑体の喪失 葉緑体の喪失
(試しに、SVGにしてみました。表示が変でしたら、コメント頂ければさいわいです。)

お一人目は、Chromera veliaと呼ばれる方で、
アピコンプレックスのアピコプラストと、渦鞭毛藻の葉緑体の遺伝子を持ち、光合成を行い、
自由生活をおくっているとのことです。
Nature 451, 959-963 (21 February 2008) .からのお話です。

二人目は、Paramecium tetraureliaさんで、こちらは繊毛虫のゾウリムシの一種ですね。
こちらは痕跡のみの発見ですが、葉緑体の部品?が見つかったということです。
Curr. Biol. 18: 956-962.からのお話です。

三人目は、Hatena arenicolaさんで、鞭毛と葉緑体を持ち、捕食と、光合成のどちらでも出来る生物で、
ラパザビリディスのような感じですね。
Science 310: 287. からのお話です。

いやあ、リンクをつなぐ方たちが見つかってくるたびに、
「種とは」いったいなんなのでしょうという疑問がわいてきますよねぇ。

今日はこんなつぶやきで締めましょうか?

植物性原材料のヘルシーマヨネーズ [アルベオラータ(繊毛虫以外)]

ご紹介しているアピコンプレックス(Apicomplex)の仲間について、もうちょっとお話が必要なことがありました、

前にお話ししたように、マヨネーズのような形(キャップ部分が、apical-complexという共通の形)を、
しているのがこの仲間の特徴なのですが、その他のさらに興味深い部分についてです。

アピコプラスト(apicoplast)という器官がありますが、これがなんと葉緑体の痕跡だというのです。
(Cryptosporidiumの仲間にはこの器官は無いようですが・・・)

35kb circular DNAという遺伝子が、このアピコプラストにあるのですが、その分析で解ったことのようです。
さて、この辺を解読したうえで本題の、アピコンプレックスの系統樹をその前から眺めますと、
アピコンプレクサ分類.png
この方たちは、渦鞭毛藻に似ているんですねぇ。

えっ?繊毛虫ってのもありますねぇ!???
ここにはまた興味深いお話があるのでまた今度にでも・・・

本日は、Curr. Issues Mol. Biol. 7: 57-80.からのお話でした。

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